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細胞のサイクル・アポトーシスとは

細胞の分裂サイクル

私たちの身体は、約60兆個の細胞から成り立っています。1個の受精卵から60兆個の細胞へ、分裂と増殖を繰り返した結果が一人ひとりの個体なのです。
細胞が分裂し増殖することを、細胞分裂といいます。そして、皮膚の細胞がアカやフケになるように、役目を終えた細胞は死んでいくのです。このように私たちの身体は常に一定の秩序を守りながら、増殖と死を繰り返しているのです。
しかし、このサイクルの途中でDNA複製を失敗することがあります。通常は分裂前に修復されるかアポトーシス(自殺)するのですが、極めて稀に生き残り、際限なく増え続けることがあります。生き残った細胞はやがてサイクルから外れ、周囲の正常な組織へ侵入するうえに、身体中のいたるところで無秩序に増殖するようになります。これが、ガン細胞です。

アポトーシスとは

あらかじめ決められたプログラムにより細胞が自殺的に死んでいく現象のことで、個体をより良い状態に保つために引き起こされます。これは主に生物の形態変化などの原動力として働いており、例えばオタマジャクシがカエルへと変態する際に尻尾が消失するのも、このアポトーシスによるものです。さらに免疫系でも、自己抗原に反応する細胞の除去など重要な役割を果たしています。
しかし、ガン化した細胞や遺伝子異常などを起こした細胞はアポトーシスを忘れているため、改めて積極的に促す必要性があるのです。

■正常細胞の分裂周期イメージ ■がん細胞の分裂周期イメージ